初のアジア出身教皇誕生の可能性も 「予測不可能」な選挙開始へ

2025/05/07 15:28 

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 世界14億人のキリスト教カトリック信徒のトップを決めるローマ教皇選挙(コンクラーベ)が7日、バチカンのシスティーナ礼拝堂で始まる。「近年で最も予測不可能」(元ローマ教皇庁職員)と言われるほどの混戦模様で、アジア出身者が初めて選ばれる可能性も取り沙汰されている。4月に死去したフランシスコ前教皇は多様性を重視して性的少数者らにも寛容だったが、新教皇がリベラル路線を継承するのかも注目される。

 コンクラーベでは、教皇に次ぐ高位聖職者の枢機卿の中から秘密投票で新教皇を選ぶのが慣例となっている。投票総数の3分の2以上の票を得る候補者が出るまで投票を繰り返す。

 ローマ教皇庁によると、枢機卿らは7日午前にサンピエトロ大聖堂でコンクラーベのためのミサを行った後、午後4時半(日本時間午後11時半)以降に礼拝堂に入り、1回目の投票を行う。新教皇が決まらなければ、8日以降は1日に最大4回の投票を実施する。礼拝堂周辺では7日午後から新教皇が選出されるまで、携帯電話の電波が遮断される。

 イタリアメディアなどは最新情勢として、前教皇の下でローマ教皇庁ナンバー2の国務長官(首相に相当)を務めたピエトロ・パロリン枢機卿(70)=イタリア=を軸とした争いになると報じている。パロリン氏はリベラル派、保守派の中間的立場で、両派にとって「妥協できる候補者」と見られている。

 そのほか、アジア出身者初の教皇誕生が期待されるリベラル派のルイス・アントニオ・タグレ枢機卿(67)=フィリピン=や、保守派の代表格、ペーテル・エルドー枢機卿(72)=ハンガリー=らが有力候補に挙げられている。

 今回は選挙権を持つ80歳未満の枢機卿135人(日本人2人を含む)のうち2人は健康上の理由で投票に参加しないと発表されている。新教皇選出には89票以上が必要になる。

 ロイター通信によると、過去10回のコンクラーベの平均日数は3・2日で、5日を超えたケースはなかった。前々回(2005年)と前回(13年)はいずれも2日で決着している。【バチカン福永方人】

毎日新聞

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