日本産水産物、中国が輸入再開 放射性物質検査の合格証明書求める

2025/06/30 09:54 

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 中国の税関当局は29日夜、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に伴い停止していた日本産水産物の輸入を即時に再開すると発表した。2023年8月の全面禁輸措置を撤廃した。約1年10カ月ぶりの輸入解禁となる。

 一方、原発事故を受けて処理水放出前から中国が食品の輸入規制を続けてきた10都県(宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、東京、千葉、新潟、長野)については引き続き対象外としている。

 税関当局は、日本企業側に対し関連施設の中国での登録手続きを求めており、実際の輸出までには一定の時間がかかりそうだ。また輸入申告の際には、日本政府が発行する放射性物質検査の合格証明書などが必要になるとしている。

 中国は23年8月に始まった処理水の海洋放出に伴い、日本産水産物の輸入を全面停止した。日中両政府は議論を続け、24年9月には輸入停止措置を見直し、輸入を再開させることで合意したと発表。国際原子力機関(IAEA)の枠組みの下、中国も参加する形でモニタリング(監視)体制を拡充することで中国側の懸念に応えることとした。

 その後、中国は海水などのサンプル採取と分析を実施し、今年1月と4月に「異常は認められなかった」と発表。日本政府は5月30日、対中輸出再開に向け、具体的な手続きに入ることで日中政府が合意したと明らかにしていた。【北京・畠山哲郎】

毎日新聞

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