ウクライナ、防空能力低下の懸念高まる 米兵器供給一部停止に危機感
米国によるウクライナへの一部兵器の供給停止で、ロシアと戦うウクライナの防空能力が低下し、現地の軍や民間人の被害が拡大する懸念が高まっている。
7月から欧州連合(EU)欧州理事会の議長国となったデンマークのフレデリクセン首相は3日の記者会見で、「米国からウクライナへの必要な兵器供給の停止の決定は、ウクライナ、欧州、そして北大西洋条約機構(NATO)にとって深刻な打撃となる」と懸念を表明した。
米国防総省は2日、ウクライナへの一部兵器の供給を一時停止し、優先事項の検証作業を進めていると明らかにした。米政治メディア「ポリティコ」などの報道によると、供給が停止されたのは、防空システム「パトリオット」用のミサイルや、精密誘導弾、F16戦闘機に搭載するミサイルなどの米国製兵器という。
ウクライナ軍にとって特に影響が大きいとみられるのが、露軍のミサイル攻撃などへの防御で威力を発揮しているパトリオットだ。
他国製の兵器での代替が難しく、米国からの供給が滞った場合、ウクライナは既にパトリオットが配備されている欧州各国に供給を要請しなければならない。だが、その場合には米国の承認が必要だ。
ウクライナ政府高官は3日、AP通信に「真の問題は、米国がウクライナ支援への消極姿勢をどこまで貫く意向なのかという点だ」と述べた。
F16搭載用ミサイルの不足も防空能力の低下に直結する。
ウクライナ空軍は6月29日、防衛任務中のF16の墜落とパイロットの死亡を発表した。このF16は搭載ミサイルの全てを使ってロシアのドローン7機を撃墜した後、残るドローンに接近して機銃攻撃していたという。
ロイター通信によると、ウクライナ軍高官は3日、今後、ミサイルが不足すれば同様のリスクの高い戦術を使わざるを得なくなると指摘した。
ウクライナ軍の防空能力が低下すると、露軍の標的となる地上のインフラ施設などの被害がさらに拡大し、民間人の犠牲者が増える可能性がある。【ブリュッセル宮川裕章】
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