台湾で年に1度の大規模防空演習 民間人も参加 中国侵攻を想定

2025/07/17 19:36 

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 中国軍の侵攻を想定し、民間人も参加する年1度の大規模防空演習が17日、台北市など台湾北部の各地で行われた。

 台北市では午後1時半にサイレンが響くと、走行していたバスや車が一斉に停車。展開した警察官らの誘導で、住民らは近くの建物に設置された防空シェルターなどに避難した。演習終了までの30分間、街から人影がほぼ消えた。

 全住民のほかに観光客も対象にしていて、避難の指示に従わなければ罰金が科される可能性がある。会社員の李雲媛さん(28)は「戦争は望まないが、社会でそれに備えること自体が力になる」と話した。

 9日に始まった台湾最大の軍事演習「漢光演習」に合わせたもので、今回は自然災害と戦災を想定した従来の二つの演習を統合して、「都市レジリエンス(強じん性)演習」とした。市内の小学校に避難所を設け、けが人の救出や治療に当たる訓練も行った。

 台湾内政部(内務省に相当)によると、公的機関やビルの地下に設けられた防空施設は全土で約8万2000カ所あり、人口の2倍強にあたる約5000万人が収容可能だ。【台北・林哲平】

毎日新聞

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