ハマスがガザ停戦案に回答 イスラエルに撤収範囲など譲歩要求か

2025/07/24 17:05 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの停戦交渉を巡り、ハマスは24日、イスラエル側から示されていた停戦案への回答を仲介国に提出したと発表した。詳細は不明だが、イスラエル紙ハーレツは「期待外れ」の内容だったと報じており、溝は埋まっていない模様だ。

 双方は7月に入り、60日間の停戦を目指して交渉を本格化させている。ただ、停戦期間中にイスラエル軍が撤収する範囲や、支援物資の搬入などを巡って意見の隔たりがある。ロイター通信などによると、ハマスは新たに示した回答でも、これらの点について相手側の譲歩を要求したという。

 米国のウィットコフ中東担当特使は24日、イスラエルや仲介国カタールの交渉団と会談するためローマを訪問。進展があれば、続いてカタールを訪れ、交渉を進めるとみられている。

 ガザ地区では激しい戦闘が続いている。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、ガザの保健当局は23日、過去24時間で100人以上が死亡したと明らかにした。食料不足も悪化し、2023年10月の戦闘開始以来、これまでに少なくとも111人が餓死したという。

 世界各地の100以上の人道支援団体は23日に共同声明を発表し、イスラエルによるガザ封鎖が「飢餓や死を生み出している」と非難した。「子供たちは親に天国へ行きたいと話している。天国には少なくとも食べ物があるからだ」との援助関係者の言葉を紹介し、即時停戦と人道援助の拡大を求めた。【カイロ金子淳】

毎日新聞

国際

国際一覧>