金与正氏、韓国・李政権との対話を全面拒否 「議論する問題ない」

2025/07/28 09:49 

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 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(ヨジョン)党副部長は28日、韓国の李在明(イ・ジェミョン)政権が北朝鮮との対話を求めていることについて「どんな政策が打ち立てられ、どのような提案が出てきても興味がなく、韓国と向き合うことも、議論する問題もないという公式の立場を改めて明確にする」と強調し、全面的に拒否した。朝鮮中央通信が同日、与正氏の談話を伝えた。

 6月の李政権発足後、北朝鮮が韓国との関係について総合的な立場を表明するのは初めて。李政権は、保守系の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権で悪化した北朝鮮との関係の改善を訴え、就任直後に北朝鮮向けの宣伝放送を中止するなど、金政権に秋波を送り続けている。与正氏はこれを「評価されるようなことにはならない」と切り捨てた。そのうえで李政権について「韓米同盟に対する妄信と、(北朝鮮との)対決構図は、前任者と少しも変わらない」と指摘した。

 正恩氏は2023年12月、南北を「敵対的な2国家関係」と位置付け、平和的な統一を目指す従来の方針から転換した。与正氏は「韓国は絶対に和解と協力の対象になれないという重大な歴史的結論に到達することができた」と指摘。「李政府がいくら同族のまねをして、正義を尽くすかのように騒ぎ立てても、韓国を敵とする我々の国家の認識に変化はあり得ず、朝韓関係の性格を根本的に変えた歴史の時計の秒針を逆戻りさせることはできない」と述べた。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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