パレスチナ国家承認、日本も早期判断迫られる可能性 カナダも承認へ

2025/07/31 17:17 

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 カナダのカーニー首相は30日、9月の国連総会でパレスチナを国家として承認する意向を表明した。パレスチナ自治政府が来年中にイスラム組織ハマスが関与しない形で選挙を実施し、非武装化などの改革を進めることが条件だとした。

 パレスチナを国家として認める国は145カ国を超え、主要7カ国(G7)で承認する方針を示したのはフランス、英国に続く3カ国目となる。イスラエルと米国は「(イスラム組織)ハマスへの褒美だ」と反発した。

 カーニー氏はパレスチナ自治区ガザ地区の人道危機に触れ、「市民の苦しみが深刻化し、平和と安全、人間の尊厳を支える国際的な協調行動に一刻の猶予も許されない」と指摘した。「イスラエルの恒久平和への道は、発展して安定したパレスチナ国家の樹立と、安全保障に対するイスラエルの不可侵の権利を認めることだ」とも述べた。

 カナダは29日、パレスチナの国家承認の前向きな検討を呼びかける西側15カ国の外相による共同声明に加わっていた。声明には未承認のオーストラリアやニュージーランドも名を連ねており、9月の国連総会に向けて承認ラッシュが続けば日本も早期の判断を迫られそうだ。一方、パレスチナの国連への正式加盟については、米国が拒否権を握る安全保障理事会の承認が必要で、実現は見通せない。

 米ニューヨークで開かれていたイスラエルとパレスチナの「2国家解決」への道筋を話し合う会議は30日に閉幕した。参加国は9月に首脳級に格上げした会合を開く。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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