米国で26年下院選見据え「区割り戦争」 トランプ氏が見直し求め

2025/08/30 18:04 

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 トランプ米大統領(共和党)は、2026年中間選挙で実施される連邦下院選に向け、共和党の州知事らに対し同党に有利な選挙区割りの策定を呼びかけている。29日には南部テキサス州で同党主導の区割り法が成立したほか、中西部ミズーリ州のキーホー知事(同)も追随する方針を表明。一方で、民主党は西部カリフォルニア州などで対抗措置を取っており、「区割り戦争」(政治メディア「ポリティコ」)の様相を呈している。

 「米国第一にとって大勝利だ」。トランプ氏は自身のソーシャルメディアで29日、キーホー氏が共和党に優勢な選挙区が1区増える区割り見直し案を発表したことを歓迎し、州議会の共和党に速やかな法案の可決を求めた。

 テキサス州では29日、共和党のアボット知事の署名で同党が現有から5議席増を見込む新たな区割り法が成立した。米紙ワシントン・ポストによると、トランプ氏は共和党が州議会の多数派を占める南部フロリダや中西部インディアナ、オハイオなどでも区割り見直しの実現を要求。合わせれば最大で10議席前後の上積みが見込まれるという。

 人口に応じて各州に議席が割り振られる下院(定数435)では、10年ごとの国勢調査に基づいて議席配分や区割りが見直されるのが通例だ。知事や州議会の多数派を占める政党が有権者の投票行動を分析し、自党に有利になるように境界を引くことが多い。トランプ氏は20年国勢調査と次回30年国勢調査の間にもかかわらず、区割りの見直しを執拗(しつよう)に求めている。

 現在の連邦上下両院では、共和党が多数派となっている。しかし、いずれも民主党との議席数の差はわずかだ。大統領の所属する政党に逆風となる傾向がある中間選挙で過半数を失えば政権運営に打撃となる。そのため、トランプ氏はホワイトハウスに知事らを招くなどして区割りを見直すよう働きかけているという。

 一方、カリフォルニア州では21日、民主党のニューサム知事が主導し、区割り見直し案を問う住民投票を11月4日に実施することが決まった。民主党の5議席増を見込み、テキサス州の増加分との「相殺」を図る。さらに民主党が州議会で過半数を確保する東部ニューヨーク州や中西部イリノイ州なども見直しに向けた動きがあるという。

 ただ、各州で区割り見直しの応酬が続けば共和党に有利との見方がある。ロイター通信によると、共和党は23州で知事ポストと州議会多数派を握って優勢を維持するのに対し、民主党は15州に過ぎない。共和党の陣営関係者はワシントン・ポストに対し、区割り変更の応酬が続いても「共和党が民主党に負ける可能性はない」と強気の姿勢を見せている。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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