米政権、対外支援7200億円分の予算取り消しへ 議会手続き回避

2025/08/30 12:54 

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 トランプ米政権は29日、連邦議会が承認した対外支援関連予算計49億ドル(約7200億円)を取り消す方針を明らかにした。28日付でジョンソン下院議長に通告した。

 米国では予算編成権を議会が握る。2025会計年度末(9月30日)が迫る中、政権は議会手続きを回避する形での予算の失効を狙っている。

 AP通信によると、予算取り消しの主な対象は国務省と国際開発局(USAID)の関連で、内訳は開発支援32億ドル▽国連関連5億2000万ドル▽国連平和維持活動(PKO)関連8億3800万ドル――などだという。

 米ブルームバーグ通信によると、連邦法は大統領に議会承認済み予算の会計年度内の執行を義務づけているが、政府提案から最大45日間は支出の一時凍結を認めている。議会が期限内に採決しなければ予算は失効するという。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、今回の措置が実行されればカーター政権当時の1977年以来48年ぶりだ。

 トランプ政権の議会軽視とも取れる姿勢に与党議員からも反発の声が上がる。与党・共和党のスーザン・コリンズ上院歳出委員長は声明で「明らかに違法だ」と批判した。野党・民主党は10月からの新会計年度予算案の審議で対決姿勢を強める構えだ。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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