安保理、対イラン制裁復活巡り会合 英仏独「三つの要求応じれば回避」

2025/08/30 10:43 

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 国連安全保障理事会は29日、イラン核合意の当事国である英国、フランス、ドイツが国連の対イラン制裁を復活させる手続きを通知したことを受け、非公開の会合を開いた。英仏独の国連大使は会合に先立ち「外交の終わりを意味するものではない」と述べ、イラン側が核開発を巡る三つの要求に応じれば、制裁復活の回避は可能だとした。

 英仏独を代表して記者団に声明を読み上げた英国のウッドワード国連大使は、イランには国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れ▽濃縮ウランの備蓄に関する懸念への対処▽包括的な合意に向けた交渉の再開――を要求してきたと説明した。欧州側の提案は「公正かつ現実的だ」と強調し、イランに再考を促した。

 イランのイラバニ国連大使は安保理の会合終了後、欧州側の要求について「交渉の結果として得られる条件を、交渉の出発点として要求している」と反論した。イランは、10月に迎える核合意の有効期限を無条件で6カ月延長すべきだと主張している。

 2015年に結ばれたイラン核合意は、イランの核開発につながる活動を制限する代わりに制裁を解除した。「履行違反」を主張する英仏独の通知に基づき、安保理で30日以内に制裁を回避する新たな決議案が採択されなければ、国連の対イラン制裁は全面的に復活する。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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