トランプ氏、英のパレスチナ国家承認方針に反対 「特別な関係」に溝
国賓として英国を訪問中のトランプ米大統領とスターマー英首相が18日、会談した。終了後の記者会見でトランプ氏は、パレスチナを国家承認する英国の方針について「その点では意見が異なる」と述べた。国賓訪英中は「特別な関係」である米英の友好ムードが強調されてきたが、締めくくりの会見で立場の違いも浮き彫りになった。
英政府は、22日に国連本部で開かれる首脳級会合で、フランスやカナダなどと並び、パレスチナ国家の承認を正式に表明する見込み。この会合ではイスラエルと将来のパレスチナ国家が共存する「2国家解決」への道筋を話し合う。イスラエルと、後ろ盾の米国は国家承認に強く反対している。
米英首脳会談では、パレスチナ自治区ガザ地区や、ロシアによる侵攻が続くウクライナの情勢などについて協議した。ガザ情勢で両首脳は、イスラム組織ハマスに拘束されている人質の解放や和平の早期実現の必要性では一致した。
記者から「国家承認がハマスへの報酬になるリスクはないのか」と問われたスターマー氏は、「ハマスはテロ組織で、将来のパレスチナの政府には関与しない。ハマスは停戦も2国家解決も望んでいない」と強調した。
一方、トランプ氏は会見で、ウクライナへの激しい攻撃を続け、和平交渉で譲歩の姿勢を見せないロシアのプーチン大統領について「私を本当に失望させている」と改めて不満を表明した。「私とプーチン氏の(良い)関係により、簡単に(紛争を)解決できると思っていた」とも語った。
また、ロシアに圧力をかけるため、ハンガリーやスロバキアなどを念頭に、欧州の一部の国が露産原油の購入を停止する必要があるとの持論を展開し、「非常にシンプルだ。原油価格が下がれば、プーチン氏は(戦争から)撤退する」と主張した。
スターマー氏もプーチン氏への「さらなる圧力」の必要性に言及。露産エネルギーに関する欧州の対応については「課題だと思う」と語った。トランプ氏は、米国に戻る大統領専用機内で記者団に、欧州が露産原油の購入を停止すべきだとの考えにスターマー氏が同意したと明かした。
両首脳はこの日、人工知能(AI)研究や原子力発電所の新設などの分野で協力する協定に署名。両国の企業が互いの国に総額2500億ポンド(約50兆円)に上る投資を実施することも発表された。
原発新設における協力は、原子力発電所建設の承認までの期間を両国で短縮することが柱。AIの普及などに伴う電力需要の増加を受け、両国は原発の開発を推進している。投資のうち対英分は1500億ポンド。米大手投資会社ブラックストーンや米マイクロソフトなどが出資し、データセンターの整備などに充てる。
トランプ氏の国賓訪英は1期目の2019年6月以来、異例の2度目となった。英側は、予測不能なトランプ氏と築いてきた良好な関係を強化するため、17日の歓迎行事で「国賓訪英としては過去最大」(英紙ガーディアン)の英軍人1300人と馬120頭を動員するなど厚遇した。
トランプ氏は18日夕、妻メラニアさんと共に帰国の途に就いた。【ロンドン福永方人、ワシントン松井聡】
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