トランプ氏、批判的な放送局は「免許取り消されるべきだ」と主張

2025/09/19 11:09 

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 トランプ米大統領は18日、ABCテレビが保守活動家、チャーリー・カーク氏の射殺事件を巡りトーク番組を無期限休止したことを受け、自身に批判的な放送局について「免許は取り消されるべきだ」と主張した。英国訪問から米国に戻る大統領専用機内で記者団に述べた。

 トランプ氏は2024年の大統領選で自身が激戦7州で全勝したのに「トーク番組の97%が私に否定的だとどこかで読んだ。保守系はないと聞いている。全く信頼性がない」などとまくしたてた。自身に批判的な放送局は「民主党の手先だ」と断じ、「全ての各局深夜のトーク番組が私をたたいている。放送免許を受けているのに許されない」との認識を示した。その上で、トーク番組を問題視した連邦通信委員会(FCC)トップのブレンダン・カー委員長を擁護。カー氏について「素晴らしい仕事をしている。愛国者だ」と評価した。

 問題となったトーク番組は15日に放送された。司会を務める人気コメディアンのジミー・キンメル氏は、トランプ氏の支持層が事件を政治利用しているなどとする趣旨の批判を展開。保守派の間で反発が広がる中、カー氏は17日、ポッドキャスト番組でキンメル氏の発言が「病的だ」とし「これらの放送局が行動しなければ、FCCが動かざるを得ない」として制裁を示唆した。

 その数時間後にABCは番組の無期限休止を発表した。米紙ワシントン・ポストによると、ABCの系列局はトランプ政権の承認を必要とする合併計画を進めており、番組休止の判断に影響を与えた可能性があるという。

 民主党のシューマー上院院内総務は記者団に対し、カー氏が「言論の自由に対する多大な脅威だ」と強調し、辞任を要求。同党のオバマ元大統領もX(ツイッター)で「現政権は新たに危険なレベルでメディア企業を規制で脅している」と批判した。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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