IAEA事務局長、査察開始は「イランの意思次第」 核開発問題

2025/09/24 09:47 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 イランの核開発問題を巡り、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は23日、ロイター通信への取材に対し「イランの政治的意思次第で査察を始められる」と述べた。国連の対イラン制裁を復活させる手続きを進める英仏独とイランが合意し、核関連施設への査察を受け入れるよう求めた。

 イランは今月9日、核施設への査察再開に向けた「技術的な手順」についてIAEAと合意したが、期間などの詳細は決められていなかった。グロッシ氏は、英仏独がこの件に関する具体的な進展を求めていると認め、「イランと議論しようとしている」と述べた。イランが譲歩すればすぐに査察を始められるよう「査察官はイランに向かっている」とも説明した。

 グロッシ氏はイランのアラグチ外相との協議で、イランが核関連施設の状態に関する報告書を作成することも議題にあがっていると明かした。6月にイスラエルと米国が攻撃して以降、イランの核関連施設へのIAEAの査察は実施できず、濃縮ウランの現状が不明なままとなっている。

 イラン核合意の当事国である英仏独は8月末、イランが合意に違反しているとして対イラン制裁を復活させる手続きを国連安全保障理事会に通知。IAEAの査察受け入れなどでイランが譲歩すれば制裁復活を先送りできるとして協議を重ねている。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

国際

国際一覧>