ネタニヤフ首相、パレスチナ承認は「恥ずべき決定」 国連で演説

2025/09/27 01:51 

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 イスラエルのネタニヤフ首相は26日、国連総会で一般討論演説に臨み、フランスなどによるパレスチナ国家承認を「恥ずべき決定だ」と非難した。イスラム組織ハマスとの戦闘は「まだ終わっていない」と述べ、今後も軍事作戦を継続する姿勢を強調した。

 ネタニヤフ氏は6月のイラン攻撃について、核・弾道ミサイル開発を「壊滅させた」と誇示。レバノンの親イラン武装組織も弱体化させたと主張したが、パレスチナ自治区ガザ市には「ハマスの残党がまだ残っている」として、民間人に多くの犠牲が出ている制圧作戦を正当化した。

 人質を拘束するハマスに演説を聞かせるためとして、ガザとの境界沿いに拡声器を設置するパフォーマンスも実施。「武器を置いて、人質を解放しろ。ハマスが我々の要求を受け入れれば、戦争は今すぐ終わる」と呼びかけた。

 深刻な人道危機を背景に各国が表明したパレスチナ国家承認については「ユダヤ人を殺せば報われるというメッセージを送った」と述べ、イスラエルとパレスチナの「2国家解決」を改めて否定した。

 演説を開始する前には、各国の代表団数十人が一斉に席を立ち、抗議の意を示した。一方、米国の代表団は、ネタニヤフ氏の演説に拍手を送り続けた。

 ネタニヤフ氏は29日、ホワイトハウスでトランプ米大統領と会談し、ガザ情勢について協議する。

【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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