朝鮮労働党創建80年 記念行事に金正恩氏が出席 中露朝の結束強調

2025/10/10 18:58 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 北朝鮮の朝鮮労働党は10日、創建80周年を迎えた。平壌では9日夜、同党の金正恩(キムジョンウン)総書記が出席して記念行事が開催された。中国の李強(りきょう)首相(共産党序列2位)やロシア与党党首のメドベージェフ前大統領も出席し、中露朝の結束を強く印象づけた。

 韓国軍合同参謀本部の関係者によると、10日夜には平壌で軍事パレードが実施される見通しだ。金氏は9月に北京で開催された「抗日戦争勝利80年」の記念行事に出席した際、中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領と並び、中国軍のパレードを参観。大国の指導者と肩を並べる姿を国内外に見せつけた。

 金氏は9日の記念行事の演説で、米国を念頭に「敵国の政治的・軍事的圧力に超強硬な姿勢で立ち向かっていく」と強調した。金氏としてはトランプ米政権との対峙(たいじ)も見据え、今回の記念日を機に、再び中露との結束を誇示する狙いがあるとみられる。

 中国首相による北朝鮮の公式訪問は2009年以来、16年ぶり。金氏と李氏は9日の会談で、両国関係を強化、発展させることで一致した。メドベージェフ氏もプーチン氏の側近であり、中露ともに北朝鮮を重視する姿勢を可視化させた。

 9日夜の記念行事にはベトナム共産党トップのトー・ラム書記長らも出席。これに先立ち金氏は訪朝したラオス人民革命党トップのトンルン書記長(国家主席)とも会談した。各国の指導者らの訪朝は、26年1月までに開かれる見通しの党大会を前に、金氏の権威をいっそう高める形ともなった。

 一方、北朝鮮で軍事パレードが実施されれば、正規軍としては23年7月以来となる。今回は、金氏が9月下旬に言及した「秘密兵器」が登場するかどうかに注目が集まる。次世代の大陸間弾道ミサイル「火星20」や、極超音速滑空ミサイルなどの最新兵器が登場するかも焦点だ。

 北朝鮮は、9月上旬に火星20に用いられる大出力の固体燃料エンジンの地上噴射試験を実施。24年10月には米本土全域を射程に収めるとされる「火星19」の発射実験をしたが、火星20では、さらなる射程の延長や弾頭重量の増加などを図っている模様だ。【ソウル福岡静哉、日下部元美】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース