ノーベル平和賞にマチャド氏 「独裁から民主主義へ」不屈の姿勢評価
ノルウェーのノーベル賞委員会は10日、南米ベネズエラの野党指導者で元国会議員のマリア・コリナ・マチャド氏(58)に今年のノーベル平和賞を授与すると発表した。反米左派のマドゥロ大統領が独裁色を強める中、自由で公正な選挙などを求めて活動を続ける不屈の姿勢を評価した。
ヨルゲン・バトネ・フリードネス委員長は「独裁から民主主義への公正で平和的な移行を実現しようと闘ってきた」と述べた。民主主義が退潮し、権威主義が台頭する世界の現状に警鐘を鳴らす狙いもあるとみられる。
ベネズエラではチャベス前大統領と後継のマドゥロ氏が25年以上、政権を握る。現在3期目のマドゥロ政権下では抗議活動の弾圧が続き、人権侵害も指摘されている。
2024年7月の大統領選も不正選挙の疑いがある。選挙管理当局がマドゥロ氏の圧勝を発表し、最高裁もその結果を認定したが、選管は詳細な集計結果を公表していない。野党側は各投票所の集計結果の8割以上を独自に入手し、野党候補のゴンサレス氏が得票率67%で勝利したと主張。市民の抗議デモも相次いだ。
国民的な人気を集めるマチャド氏は、同大統領選で野党連合の統一候補だったが、24年1月に最高裁に立候補を禁止された。それでも屈せず、元外交官のゴンサレス氏を擁立し、二人三脚の選挙戦を展開した。大統領選後、ゴンサレス氏は裁判所から扇動などの容疑で逮捕状を出され、スペインに亡命。マチャド氏は国内にとどまり、身を隠すことを余儀なくされている。
ノーベル賞委員会はマチャド氏に決定を告げた際の動画を公開。マチャド氏は「国民の活動への評価だ。私はその活動に参加した一人に過ぎない」と述べた。授賞式は12月10日、ノルウェーの首都オスロで行われる。賞金は1100万スウェーデンクローナ(約1億7000万円)。【ロンドン福永方人】
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