ノーベル平和賞が１０日に発表され、受賞への意欲を公言してきたトランプ米大統領は選ばれなかった。

　ノーベル賞委員会のフリードネス委員長は、トランプ氏の言動の影響を記者から問われ、「長い歴史の中で、この委員会はあらゆる種類のキャンペーンや報道を目にしてきた」と言及。その上で「（候補者の）功績と（ノーベル賞創設者）アルフレッド・ノーベルの遺志のみに基づいて（授賞者を）決定する」と語った。

　フリードネス氏は８日に放送されたノルウェーの国営放送ＮＲＫのインタビューで、トランプ政権が策定したパレスチナ自治区ガザ地区の和平計画に対する評価は「来年１０月まで待つ必要がある」と語るなど、トランプ氏への授賞を暗に否定していた。

　ＮＲＫなどによると、授賞者は、イスラエルとイスラム組織ハマスが和平計画の「第１段階」で合意する前の今月６日に決まっていたという。【ロンドン福永方人】