ハマス、新たに人質1人の遺体を返還 停戦はかろうじて維持

2025/10/21 06:43 

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 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスは20日、新たに人質1人の遺体をイスラエルに引き渡した。ロイター通信によると、ガザでは19日、イスラエル軍の空爆などで少なくとも46人が死亡したが、その後はかろうじて停戦が維持されている模様だ。

 イスラエル軍は20日、北部ガザ市で「複数のテロリスト」が軍の制圧地域に侵入したとして攻撃を行い、「脅威を除去した」と発表した。パレスチナメディアによると、この攻撃で少なくとも2人が死亡した。

 軍はガザの53%の地域にとどまり、警戒を続けている。カッツ国防相はX(ツイッター)で、軍の制圧地域に侵入すれば「警告なしに攻撃の標的になる」と述べた。

 ただ、19日のような大規模な戦闘には発展していない模様だ。米国のウィットコフ中東担当特使とトランプ大統領の娘婿、クシュナー元大統領上級顧問は20日、イスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と会談した。イスラエルに停戦を維持するよう求めた可能性がある。バンス副大統領も21日、イスラエルを訪問する予定だ。

 一方、ハマスの交渉団を率いるハイヤ氏は20日、エジプトの首都カイロを訪れた。イスラエルによる空爆の影響などを、仲介国と協議したとみられる。

 ハマスは停戦合意に基づき、これまでに人質の生存者20人全員と13人の遺体を返還したが、まだ15人の遺体がガザに残されているとみられている。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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