高市首相への祝電、中国なぜまだ発表せず? 近年は就任当日

2025/10/23 19:18 

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 中国の習近平指導部が、高市早苗首相に対する就任祝いの祝電の発表を従来よりも遅らせている。直近の歴代首相には就任当日に祝電を送っていたが、高市氏に対しては内閣発足から丸2日が経過した23日夕の時点でも発表はないままだ。右派色の強い高市氏への警戒感から、いったん高市政権の対中政策について出方を見守っているとの見方も出ている。

 中国外務省の郭嘉昆副報道局長は23日の記者会見で、高市氏に祝電を送るかとの質問に「外交慣例に基づき、既に適当な処理を行っている」と答え、23日の時点で送ったかどうかについては明言しなかった。その上で「(高市政権が)歴史や台湾などの重大な問題を巡る政治的な約束を守り、戦略的互恵関係を全面的に推進していくことを望む」と述べた。

 習氏は国家主席に就任した2013年以降、20年の菅義偉氏▽21年の岸田文雄氏▽24年の石破茂氏――の首相就任当日に祝電を送り、中国外務省が当日か翌日に内容を発表してきた。しかし21日午後に首相に就任した高市氏には、こうした対応はとられていない。

 中国メディアは、靖国神社参拝を繰り返し、防衛費の増額を掲げる高市氏を「日本の右翼政治家を代表する一人」(国営新華社通信)と警戒している。中国紙「環球時報」は22日、1面トップ記事で高市氏の首相選出を報じ「タカ派の立場が外交に影響する可能性がある」と懸念を示した。【北京・畠山哲郎】

毎日新聞

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