パキスタン情報相、タリバンとの和平協議「失敗」 緊張高まる可能性

2025/10/29 10:16 

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 パキスタンと隣国アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権の武力衝突を巡り、パキスタンのタラル情報・放送相は29日、停戦の持続に向けて開催していた両者の協議について「実行可能な解決策をもたらすことに失敗した」とX(ツイッター)に投稿した。現在、双方の間では停戦が維持されているが、再び緊張が高まる可能性がある。

 パキスタン政府はこれまで、国内で頻繁にテロを起こしているイスラム武装勢力について、タリバンがかくまっていると非難。タリバン側はこうした主張を否定してきた。

 タラル氏はこの日の声明で、パキスタンは協議でタリバン側に武装勢力などへの措置を求めたとした一方、「タリバン側は問題の核心から逸脱し、対話プロセス開始の重要な論点を回避した」と主張した。

 武力衝突は今月9日に始まった。同日夜にアフガニスタンの首都カブールなどが空爆され、タリバンはパキスタンが「領空侵犯した」と主張。報復として同国との国境沿いの複数の地点を攻撃し、パキスタン軍も応戦して双方で死者が出ていた。

 その後、両者はカタールとトルコの仲介で即時停戦に合意し、停戦を持続させるための協議を25日からトルコで実施していた。【ニューデリー松本紫帆】

毎日新聞

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