<1分で解説>「最も困難な瞬間」 米国の和平案にウクライナは

2025/11/23 14:42 

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 トランプ米大統領がロシアの侵攻を受けるウクライナに対して新しい和平計画案を提示し、27日までに合意するかどうかの回答を求めています。ウクライナのゼレンスキー大統領は「我々の歴史上最も困難な瞬間」と話し、国内外で大きな波紋が広がっています。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「米国の和平案とウクライナの窮地」を解説します。

Q 米国の和平案ってどんな内容なの?

A 東部ドネツク州とルハンスク州をロシアに渡すことや、NATO非加盟を憲法で決めることなど、ウクライナにとってとても厳しい条件が含まれています。

Q ウクライナは今どんな状況なんだっけ。

A ロシアとの戦闘でウクライナは不利な状況が続いていて、エネルギー施設への攻撃で電気や暖房が止まる地域も出ています。住宅地への攻撃もあり、多くの市民が被害を受けています。

Q ゼレンスキー氏はどうしているの?

A 和平案の受け入れを巡りゼレンスキー氏は「我々の歴史上最も困難な瞬間」と通信アプリに演説を投稿し「ウクライナは難しい選択を迫られている。尊厳を失うか主要なパートナーを失うリスクか」と苦しい胸の内を吐露しました。

Q 和平案を断ったらどうなるの?

A トランプ氏は、ウクライナが和平案を受け入れなければ軍事支援や機密情報の提供を止めるとしています。そうなると、ウクライナの戦況がさらに悪化する可能性があります。

Q 欧州の国々はどう考えているのかな。

A フランスやイギリス、ドイツの首脳はウクライナを全面的に支持すると表明し、アメリカの案には懸念を示しています。ウクライナを含めた4首脳で代案の検討もしているようです。

Q 和平案には他にどんな条件があるの?

A ウクライナ軍の兵力を減らすことや、ロシアのウクライナ侵攻後に欧米や日本などが凍結した露中央銀行の資産のうち約1000億ドル(約15兆7120億円)を、米国主導のウクライナ復興プロジェクトに投資し、利益の50%を米国が受け取るなどの内容が盛り込まれました。

Q どうなっちゃうのかな?

 バロ仏外相が米国の提案について「ウクライナの降伏に等しい」と述べるなど、ロシアの意向を反映した内容が目立っています。こうした批判を受け、トランプ氏は22日、最終案ではないとの見方を示し、修正に含みを残しました。また、期限の延長可能性にも言及しています。

毎日新聞

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