パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの幹部、ナイム氏は７日、ＡＰ通信のインタビューで、武器の使用を一定期間「凍結」することを議論する用意があると述べた。１０月に発効した停戦でほとんどの人質が引き渡され、今後、ハマスの武装解除やイスラエル軍の完全撤退などについて交渉する「第２段階」に移るとみられ、駆け引きが続いている。

　ナイム氏は、パレスチナ国家樹立に向けて、武器を一定期間使用しない準備があると説明。５年もしくは１０年の長期間の停戦をし、その間、和平に向けた交渉を続ける案を提案した。ただ停戦期間中にハマスが再武装を進める可能性もあり、イスラエルが同意するかどうかは不透明だ。

　一方、イスラエルのネタニヤフ首相も７日、間もなく、停戦の「第２段階」に入るとの認識を示した。今月後半に訪米し、トランプ米大統領と会談する予定で、「ハマスのガザ統治をどう終わらせるか協議する」と述べた。

　１０月の停戦発効以降、「第１段階」の人質の引き渡しが進められており、ガザに残る人質は１人となっている。ハマスなどは７日、北部ガザ市で人質の遺体を捜索したが発見には至っていない。人質の家族らで作る団体は、人質の返還前に「第２段階」に進まないように求めた。

　イスラエル軍は７日もガザ地区で散発的な攻撃を実施。中東メディアによると、南部マワシ地区で、３歳の女の子がイスラエル軍の銃撃で死亡した。ガザ保健当局によると、１０月の停戦発効以降のガザ側の死者は３７３人。２０２３年１０月の戦闘開始以降のガザ側の死者は７万人を超えている。【エルサレム松岡大地】