トランプ氏、殺害された映画監督夫妻は「悪い存在」 投稿で主張

2025/12/16 10:16 

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 米映画監督のロブ・ライナーさん夫妻が殺害された事件を巡り、トランプ米大統領は自身のソーシャルメディアで15日、ライナーさんが「トランプ錯乱症候群に精神をむしばまれ、他人の怒りを引き起こしたことが原因だと報じられている」と主張した。ライナーさんは生前、トランプ氏を厳しく批判していた。

 政治的に対立する他者の死を皮肉るような投稿には、身内の共和党からも批判の声が上がっている。

 「トランプ錯乱症候群」は、トランプ氏の支持者が反トランプ派に対して侮蔑的に用いる表現。米政治メディア「ポリティコ」によると、ライナーさんはトランプ氏を「精神的に(大統領に)不適格だ」などと批判していた。

 トランプ氏は投稿で「ハリウッドでとても悲しいことが起きた」とする一方、ライナーさんが自身に対する「激しい執着で人々の正気を失わせていた」と一方的に主張。投稿後に記者団の取材に応じた際には「全く彼のファンではなかった。彼は我が国にとって、とても悪い存在だと思っていた」と語った。

 トランプ氏の投稿に対し、下院共和党のマッシー議員はX(ツイッター)で「残酷に殺害された人物への不適切で敬意を欠く発言だ」と批判。ローラー議員も「政治的な考え方に関わらず誰もが暴力の対象になるべきではない」と指摘した。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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