ハセット氏の次期FRB議長起用案 米政府高官が反対 米報道

2025/12/16 10:22 

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 米CNBCテレビは15日、連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に国家経済会議(NEC)のハセット委員長を起用する案について、トランプ大統領に近い政府高官が反対していると報じた。ハセット氏は最有力候補と目されているが、トランプ氏と過度に親密な関係にあることで、中央銀行の独立性が低下する事態が懸念されている。

 事情に詳しい関係者の話として伝えた。ハセット氏が指名された場合、利下げを強く求めるトランプ氏の意向を重視する可能性が高い。逆に物価上昇(インフレ)が再燃しても適切なタイミングで利上げに踏み切れず、最終的に金利上昇(債券価格は低下)を招く恐れが不安視されている。

 ハセット氏は第1次トランプ政権下の2017~19年に大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めた。現在は経済安全保障を含めた経済政策を立案する大統領直轄組織であるNECトップの立場でトランプ氏を支える側近だ。

 FRB議長は大統領が指名し、連邦議会上院の承認を経て就任する。現在のパウエル議長は来年5月に任期満了となる。後任にはハセット氏のほか、ウォーシュ元FRB理事が有力候補として取り沙汰されている。トランプ氏は12日、米紙のインタビューで両氏の名前がケビンであることにちなんで「2人のケビンが素晴らしい」などと述べ、共に有力候補であると示唆した。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

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