ウクライナへの米軍駐留「トランプ氏と議論」 ゼレンスキー氏明かす
ウクライナのゼレンスキー大統領は12月30日、記者団に対し、28日にあったトランプ米大統領との会談で、ウクライナに米軍が駐留する案を議論したと明かした。ロシアに再侵攻されないための「安全の保証」の一環だという。
ウクライナメディアによると、ゼレンスキー氏は軍隊の駐留について「米国とも(ウクライナを支援する欧州の)有志国連合とも議論している」と述べ、実現すれば「強力な『安全の保証』となるだろう。我々はそれを望んでいる」と期待した。ただ、「決定できるのは米国の大統領だけだ」とも付け加えた。
これに先立ちポーランドのトゥスク首相は30日、欧州各国の首脳らとの電話協議の後、米国がウクライナに軍隊を駐留させる可能性について言及。強力な「安全の保証」があれば「和平は数週間で達成できる」との期待を示していた。協議にはカナダや欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)の首脳も参加した。
「安全の保証」は、ゼレンスキー氏とトランプ氏の28日の会談の主要な議題だった。会談後の記者会見で、ゼレンスキー氏が「100%合意した」と成果を強調する一方、トランプ氏は「一つ、二つ非常に厄介な問題がある」と述べていた。ウクライナメディアなどによると、米国は15年間の枠組みを提案した一方、ウクライナは30~50年にわたる長期間の関与を求めている。
停戦後のウクライナへの軍隊の派遣を巡っては、英仏独など欧州10カ国とEUの首脳が12月15日、有志国連合の中の意欲のある国が「多国籍軍」を創設する方針を表明した。ロシアは欧米の軍隊の派遣を拒否している。
ゼレンスキー氏のX(ツイッター)での発表によると、ウクライナと有志国連合は、1月3日に安全保障担当者の会合をウクライナで、6日に首脳会合をフランスで開く。米国の代表者も参加する意向を示しているという。【ベルリン五十嵐朋子】
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