北朝鮮、25年に暗号資産20億ドル盗む 監視チームが国連で報告

2026/01/13 12:12 

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 北朝鮮による国連制裁逃れを調べる日米韓など11カ国による多国間制裁監視チーム(MSMT)は12日、米ニューヨークの国連本部で公開の会合を開いた。北朝鮮は2025年に20億ドル(約3160億円)以上の仮想通貨(暗号資産)を盗み、依然として有力な外貨獲得手段となっている実態が報告された。

 対北朝鮮制裁の履行状況の監視は、安全保障理事会の専門家パネルが担ってきたが、24年にロシアの拒否権で活動停止に追い込まれた。後継組織として有志国で構成するMSMTが国連の場で公開の会合を開いたのは初めて。

 一方、北朝鮮の国連代表部は12日、朝鮮中央通信が伝えた声明で、MSMTは国連とは無関係の「違法な」組織だと反発した。北朝鮮を擁護する中国やロシアは会合に参加しなかった。

 25年秋にMSMTが発表した報告書は、北朝鮮が外貨収入の大半を仮想通貨の窃取とロシアへの武器販売に依拠していると指摘。24年1月~25年9月に少なくとも28億ドルの仮想通貨を盗み、中国やロシア、カンボジアなど外国拠点の仲介業者を介して法定通貨に「洗浄」しているとの見解を示した。この日の会合では、25年10月以降の3カ月で新たに4億ドル以上の仮想通貨が盗まれたとした。

 またMSMTによれば、北朝鮮は自国のIT労働者を少なくとも8カ国に派遣。制裁を回避して得た収入は、核・ミサイル開発の資金源になっていると懸念されている。

 日本の山崎和之国連大使は会合で、報告書が明らかにした実態は「氷山の一角に過ぎない」と警告。すべての国連加盟国に対策強化を呼びかけ、政府と民間の協業が極めて重要だと指摘した。

 日本では24年に仮想通貨交換会社「DMMビットコイン」から約482億円相当のビットコインが流出し、警察庁や米連邦捜査局(FBI)は北朝鮮のハッカー集団によるサイバー攻撃と特定した。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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