中国軍制服組トップを規律違反疑いで調査 習主席の側近、汚職関与か
中国国防省は24日、軍制服組トップにあたる中央軍事委員会副主席で共産党政治局員の張又俠氏(75)と、同委員会委員で統合参謀部参謀長の劉振立氏(61)について、重大な規律違反と法律違反の疑いで調査を受けると発表した。国営新華社通信が伝えた。詳細な内容は明らかにされていないが、汚職などへの関与が疑われた可能性がある。
人民解放軍を指導する中央軍事委は、習近平国家主席をトップとする7人で構成され、副主席は2人。張氏とともに副主席のポストにあった何衛東氏(68)が2025年10月に重大な規律違反の疑いで共産党の党籍と軍籍を剥奪されたばかりで、現職の副主席2人が相次いで調査を受ける前代未聞の事態となった。
習氏を除く中央軍事委員6人のうち、張氏と劉氏を含め既に5人が処分や調査の対象となり、指揮系統に空白や混乱が生じる可能性も否定できない。
張氏は1979年に発生したベトナムとの中越戦争で戦功を上げ、軍の宇宙開発部署トップなどを歴任。2017年、習指導部の下で中央軍事委員会副主席に就任した。
張氏は、習氏との間で「上司と部下」の関係以上の結びつきがあったとされる。
張氏と習氏の父親は、国共内戦の時期の戦友で、2人は共に高級幹部の子弟「紅二代」として親しい関係だった。また張氏は11年に軍最高階級の上将に昇進しており、翌12年に習氏が最高指導者になる前から軍での地位を確立。習氏によって抜てきされた他の軍幹部とは異なる存在感を放っていた。
さらに張氏は22年の共産党大会で「68歳以上なら退任」という不文律に従って引退するところが、例外的に制服組トップのポストにとどまるなど、習政権下でも特別な位置を占めているとみられていた。
ただ、近年明るみに出た軍の大規模汚職は装備品の調達部門が舞台の一つとされているが、張氏は過去にこの部門の責任者を務めていた。
また、劉振立氏は陸軍司令官などを歴任した後、22年に中央軍事委員となり、統合参謀部参謀長を兼務していた。劉氏もベトナムとの紛争での従軍経験があり、習氏の「戦って勝つ」軍隊の建設を象徴する軍幹部とされていた。
今回、突出した権力を握る習氏による大規模粛清の嵐がいまだに終わっていないことが明らかになり、さらなる軍幹部の摘発が続く可能性がある。軍の指揮系統に混乱が生じる可能性も否定できない状況になっている。【北京・畠山哲郎】
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