トランプ政権がキューバ体制転換を模索か 海上封鎖検討も 米報道
トランプ米政権が、共産党が独裁支配するカリブ海の島国・キューバの体制転換を模索している可能性が浮上している。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、年内に実現するため、政権内部の協力者を探しているという。米政治専門メディア「ポリティコ」は、米政権がキューバの石油輸入を止めるため、海上封鎖を検討していると報じた。
トランプ米大統領は、南北アメリカを中心とする西半球を重視する「ドンロー主義」を提唱する。
報道によると、米政権はベネズエラで反米左派のマドゥロ大統領を拘束したことで勢いづいており、反米で社会主義国のキューバを次の標的にする可能性がある。
WSJによると、米政権はキューバからの亡命者が多い南部フロリダ州などで、キューバの政権内部で米側との取引を望む人物を特定するため、会合を重ねているという。米側はベネズエラでの軍事作戦でも、内通者から支援を受けていた。
またポリティコによると、キューバ移民の両親を持ち、対キューバ強硬派のルビオ米国務長官が海上封鎖を支持している。ただ、米政権内には、原油の輸入を全面的に遮断すれば、人道危機を引き起こす可能性があるとして懸念する声もあるという。
キューバはベネズエラと協力関係にある。ベネズエラが安価な石油を提供し、キューバは見返りとして諜報(ちょうほう)要員や要人の警護部隊、医療関係者を派遣してきた。とりわけ、キューバの諜報要員は、ベネズエラが独裁的な体制を維持する上で重要な役割を果たしてきたとされる。
3日の米軍によるベネズエラでの軍事作戦では、マドゥロ氏の警護に当たっていたとされるキューバの軍人や情報機関員ら32人が死亡した。
ベネズエラではマドゥロ氏の拘束後、副大統領を務めていたロドリゲス氏が暫定大統領に就いたほか、主要閣僚も留任している。ただ、米政権の求めに応じて原油取引の交渉に応じるなど、姿勢に変化が出てきている。
WSJによると、米政権はキューバ経済が崩壊寸前だと見ている。また、協力関係にあったマドゥロ氏が失脚したことで、キューバ政府が脆弱(ぜいじゃく)な状態になったと評価しているという。
キューバは米国に近接し、フロリダ州の最南端の場所からわずか150キロほどだ。米国は1961年にも、米中央情報局(CIA)が支援した亡命キューバ人部隊が政権転覆を試みた「ピッグス湾事件」を起こしている。トランプ氏がキューバでの体制転換を実現し、「レガシー」を狙っているとの見方もある。【ワシントン松井聡】
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