防衛費はGDP比5%が「世界基準」 米、日本にも安保の分担要求
米国防総省は23日、国防政策全般の指針となる「国家防衛戦略(NDS)」を第2次トランプ政権として初めて発表した。世界中の同盟国や友好国に防衛費を国内総生産(GDP)比5%まで引き上げるよう提唱した。安全保障面でより大きな分担を同盟国に求める姿勢を鮮明にした。
トランプ政権は昨年12月までに外交・安全保障政策の指針となる「国家安全保障戦略(NSS)」を公表している。NSSでも日本や韓国などの同盟国に防衛費負担増を求めるとしていたが、具体的な数値は示していなかった。
NDSは、北大西洋条約機構(NATO)が加盟国の防衛費の目標を「中核的な防衛費」3・5%と関連経費1・5%で計5%に引き上げたことを評価。これを「新しい世界基準」とし、「欧州のみならず世界中の同盟国や友好国がこの基準に合わせることを提唱する」と記した。
米軍の最優先任務としては、南北米大陸を中心とした「西半球」を含む本土防衛を掲げた。デンマーク自治領グリーンランドやパナマ運河などで敵対勢力が影響力を拡大して「米国の利益が脅かされている」と警戒感をあらわにし、要衝へのアクセスを守ると強調した。
バイデン前政権が「最も重要な戦略的競争相手」と位置づけた中国については、「19世紀以来、米国にとって最も強力な国となっている」と表現。インド太平洋は米国民の安全と自由、繁栄に影響を与える世界で最も市場規模の大きい地域と指摘し、中国による支配を容認しないとの立場を明確にした。
その上で日本の南西諸島から台湾、フィリピンを結ぶ「第1列島線」の防衛強化に努めるとし、地域の同盟国らの安全保障面での役割拡大を求めた。一方で、中国とは衝突せず、力による抑止に注力するとし「米国民にとって有利で中国も受け入れ可能な相応の平和」は達成可能だとも主張。台湾については直接的な言及はしておらず、中国に配慮した可能性がある。
欧州や朝鮮半島については米軍の関与の縮小を示唆した。バイデン前政権がNATOの加盟国に対し、米国の軍事力への「タダ乗り」を助長し、ロシアによるウクライナへの侵攻を抑止できなかったと批判した。ロシアの脅威は管理可能との認識も示した。
北朝鮮が開発を進める核やミサイルは日本や韓国、米国本土にとっても「脅威」と指摘する一方で、強力な軍事力を持つ韓国が北朝鮮抑止の主要な責任を担う能力があると主張した。【ワシントン金寿英】
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