英首相が8年ぶり訪中、習主席と会談へ 経済関係の強化狙う
スターマー英首相が28日、中国訪問を開始した。国営新華社通信が報じた。31日まで滞在し、29日には習近平国家主席と会談する。英首相の訪中は2018年のメイ氏以来8年ぶり。英経済が低迷する中、旧植民地の香港での民主派弾圧などを巡り冷え込んだ関係を改善し、経済・貿易関係の強化を目指す。中国は英国を引き寄せ、米欧の連携に揺さぶりをかける狙いがある。
英中はキャメロン政権(10〜16年)時代、経済優先で関係を深め「黄金時代」とまで称された。だがその後、香港問題のほか、新疆ウイグル自治区の人権問題でも英国が中国当局者に制裁を科すなどし関係がこじれた。英国に対する中国のスパイ活動疑惑も度々取り沙汰され、英国内の対中世論も急速に悪化した。
だが、関係修復を掲げるスターマー氏は、国家安全保障上の警戒感は強めながら、実利優先で世界第2位の経済大国訪問に踏み切った。訪中には50人以上の英企業トップらが同行。ロイター通信によると、18年に構想された両国企業トップによる「評議会」の復活を目指すという。
訪中のネックとなっていたのは、ロンドンにある中国大使館の移転問題だ。中国は22年に建設計画を申請したが、スパイ活動の拠点となるリスクが指摘され反対運動も起きた。英政府は可否の判断を繰り返し延期したが、今月20日に承認。承認は訪中の条件の一つだったとも報じられていた。
一方、中国は米国に対抗するため欧州との連携強化を進めており、昨秋以降、欧州の首脳を相次いで受け入れている。中国外務省の郭嘉昆副報道局長は28日の記者会見で「国際情勢が混乱する今、中英による協力強化は世界の平和と安定、発展に資する」と述べた。
両首脳の会談は24年11月にブラジルで実施して以来2度目となる。トランプ米政権がデンマーク自治領グリーンランドの領有を要求している問題などで欧米関係に摩擦が生じる中、スターマー氏としては米中との間でバランスを取る思惑もありそうだ。【ロンドン福永方人、北京・畠山哲郎】
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