ミュンヘン安全保障会議、13日に開幕 最大の注目は今後の欧米関係

2026/02/11 18:04 

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 世界の首脳や閣僚らが外交・安全保障問題について話し合う「ミュンヘン安全保障会議」が13日、ドイツ南部ミュンヘンで開幕する。トランプ米政権がデンマーク自治領グリーンランドの領有を要求したことで冷え込んだ欧米関係やロシアのウクライナ侵攻への対応が主な議題になりそうだ。

 会議は1963年に開かれた欧米の政治家や専門家の会合が始まりで、今年で62回目。会期は15日までの3日間で、世界の60カ国以上から首脳級が参加する。

 今回の会議で最も注目されるのが、今後の欧米関係だ。

 昨年の会議ではバンス米副大統領が演説で「最も懸念する欧州への脅威は中国やロシアではない。内部にある」と批判した。移民排斥を訴える極右政党に肩入れし、欧州の言論の自由や民主主義のあり方を非難。欧米の間に入った亀裂があらわになった。

 その後もトランプ政権はあからさまに欧州を軽視。西半球での覇権確立を最優先にし、今年1月に南米ベネズエラでマドゥロ大統領を拘束した後、グリーンランドの領有を強く求めた。これに反対した欧州8カ国に追加関税(後に撤回)を表明し、欧州側も報復措置を検討するなど一時緊張が高まった。

 欧米の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)の加盟国デンマークの自治領を一方的に獲得しようとする米国の試みに欧州の危機感は強い。

 会議を主催するミュンヘン安保会議財団が9日に公表した年次報告書は「世界は“破壊の政治”の時代に入った」と表現。トランプ大統領を「既存のルールや慣例を壊す、最も大きな権力を持つ人物」と批判し、米国が力による支配を重視する現状に警鐘を鳴らした。

 今回は米国からはバンス氏が参加を見送り、ルビオ国務長官が出席する。ルビオ氏が演説でどのようなメッセージを発信するかが焦点の一つとなっている。会議に合わせて主要7カ国(G7)の外相会合の開催も予定されている。

 間もなく4年を迎えるロシアによるウクライナ侵攻への対応も集中的に議論される予定だ。

 ウクライナのゼレンスキー大統領も会議に出席し、ウクライナへの連帯を訴えるとみられる。現在、ウクライナはトランプ政権の仲介でロシアと和平交渉を進めている。合意の前提として、停戦後の欧米による具体的な「安全の保証」を求めている。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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