米軍制服組トップがイラン攻撃に懸念か 米報道、トランプ氏は否定
米ニュースサイト「アクシオス」は23日、トランプ米大統領が辞さない構えを示しているイランへの軍事攻撃について、米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長が、攻撃は紛争の長期化など大きなリスクを伴う可能性があると助言していると報じた。米紙ワシントン・ポストなども同様の内容を伝えた。
一方、トランプ氏は23日、自身のソーシャルメディアで、報道の内容は「100%誤りだ」と批判。「軍事的な行動が決定された場合、それは容易に勝利できるものになるというのが彼の見解だ」と主張した。その上で、改めて「合意が望ましい」と強調しつつ、軍事攻撃の可能性にも言及した。
アクシオスが複数の関係者の話として報じたところによると、ケイン氏は1月のベネズエラへの攻撃は全面的に支持したものの、イランに関しては慎重な姿勢を示している。イランへの攻撃は、米側に犠牲者が出るリスクがより高いと見ているという。
バンス副大統領も軍事作戦のリスクや複雑さに関する疑問を提起しているほか、イランとの交渉役のウィットコフ中東担当特使とクシュナー元大統領上級顧問も、まずは交渉を優先すべきだと促している。トランプ氏は攻撃に傾いていたが、両氏に交渉の時間をもう少し与えることに同意したという。
米とイランの協議は26日にスイス・ジュネーブで開催される。ロイター通信は22日、イラン高官の話として、米国が平和目的のウラン濃縮の権利を認めて経済制裁を解除するなら、イラン側は新たな譲歩をする用意があると報じた。また米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が、イランに医療目的で微量のウラン燃料の製造を容認する案を示し、両国が検討しているという。
米政権では攻撃に関する議論も続いている模様だ。NYTは22日、核開発を巡る米国とイランとの交渉が決裂した場合、トランプ氏が「2段階」での攻撃を検討していると報じた。最初に標的を絞った軍事攻撃を実施し、イランが譲歩しない場合は体制転換を視野に入れた大規模な攻撃に踏み切るという。
トランプ政権は、イランの核兵器保有の阻止を優先事項に挙げている。一方で、米政府高官はイランによる弾道ミサイル開発や中東の親イラン組織への支援なども問題視。トランプ氏はイランの体制転換が「最善のことのように思える」とも発言しており、政権からの発信は錯綜(さくそう)している。【ワシントン松井聡、金寿英、カイロ金子淳】
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