米イラン、パキスタンで交渉へ 停戦へ「正念場」、主張は対立
米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦を巡り、戦闘終結に向けた米国とイランの代表団による交渉が11日、仲介国パキスタンの首都イスラマバードで開かれる。両国は2週間の停戦で合意したが、原油輸送の要衝ホルムズ海峡の開放などを巡って主張が対立。イランは戦闘終結の条件として、将来再び攻撃されないことへの保証も求めており、妥協点が見いだせるのかが焦点だ。
ロイター通信などによると、協議には米政権のバンス副大統領やウィットコフ中東担当特使、トランプ米大統領の娘婿クシュナー氏が出席。イラン側からは、ガリバフ国会議長やアラグチ外相が参加する見通し。パキスタンのシャリフ首相は10日、協議について恒久的な停戦の実現に向けた「正念場」との認識を示した。
バンス氏は10日、出発に先立ち、記者団に対して「協議は前向きなものになる」と強調した。ただ米国とイランによる2週間の停戦を巡っては、両者の間で「合意」に関する認識の相違が浮き彫りとなっている。
米国とイスラエルは、レバノンでの戦闘は停戦合意の範囲外と主張しているが、イランは「停戦合意違反」と猛反発。ガリバフ氏は10日、X(ツイッター)で、レバノンでの停戦を含む二つの合意がいまだに実施されていないと主張し、「交渉開始前に履行されなければならない」と強調していた。
ホルムズ海峡の航行についても両者の主張は真っ向から対立する。トランプ氏は海峡の「完全で即座の安全な開放」を条件に停戦に同意した。しかし、イランは軍事当局との調整を経て「安全な航行が可能になる」と表明。海峡における自国の「管理権」を主張している。
米シンクタンク「戦争研究所」(ISW)によると、停戦合意が発表された翌日の米東部時間8日午後2時からの24時間で、ホルムズ海峡を通過してペルシャ湾を出た船舶は貨物船6隻と石油タンカー4隻にとどまった。トランプ氏は9日、自身のソーシャルメディアで「イランは極めてひどい対応をとっており、我々の合意とは異なる」と不満をあらわにした。
イランメディアによると、最高指導者モジタバ・ハメネイ師は9日の声明で「この戦争で被ったあらゆる損害に対する賠償を要求する」と述べ、「ホルムズ海峡の管理を新たな段階に引き上げる」と言及した。措置の具体的な内容は不明だが、今後もホルムズ海峡を「人質」とした交渉が続くとみられる。【ニューデリー松本紫帆】
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