米イラン交渉始まる 戦闘終結へ「正念場」 妥協点見いだせるか
米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦を巡り、戦闘終結に向けた米国とイランの代表団による交渉が11日、仲介国パキスタンの首都イスラマバードで始まった。米CBSニュースが報じた。両国は2週間の停戦で合意したが、原油輸送の要衝ホルムズ海峡の開放などを巡って主張が対立。イランは戦闘終結の条件として、将来再び攻撃されないことへの保証も求めており、妥協点が見いだせるのかが焦点だ。
ロイター通信などによると、協議には米政権のバンス副大統領やウィットコフ中東担当特使、トランプ米大統領の娘婿クシュナー氏が出席。イラン側は、ガリバフ国会議長が率いた。交渉は両代表団とパキスタンの3者による対面形式で行われたという。
パキスタンのシャリフ首相は10日、協議について恒久的な停戦の実現に向けた「正念場」との認識を示していた。
トランプ氏は10日、米大衆紙ニューヨーク・ポストの電話インタビューで、交渉が失敗した場合に備え、再攻撃の準備をしていると強調した。交渉の成否は「24時間以内に分かる」とも主張し、イランに圧力をかけた。また、記者団に対して「第一に(イランが)核兵器を持たないことだ」と説明。イランによるホルムズ海峡での通航料の徴収については「そんなことはさせない。国際的な水域だ」と語った。
バンス氏は10日、出発に先立ち、記者団に対し「イランが誠意を持って交渉するつもりなら、我々も手を差し伸べる用意がある」と述べた。ただ、米国とイランの間では、2週間の停戦合意を巡っても認識の相違が浮き彫りとなっている。
米国とイスラエルは、レバノンでの戦闘は停戦合意の範囲外と主張しているが、イランはイスラエル軍によるレバノンでの攻撃が「停戦合意違反」として反発。ガリバフ氏は10日、X(ツイッター)で、レバノンでの停戦を含む二つの合意がいまだに実施されていないと主張し、「交渉開始前に履行されなければならない」と強調していた。
ホルムズ海峡についても、トランプ氏は「完全で即座の安全な開放」を停戦の条件としていた。しかし、イランは軍事当局との調整を経て「安全な航行が可能になる」と表明し、海峡における自国の「管理権」を主張している。
米シンクタンク「戦争研究所」(ISW)によると、停戦合意が発表された翌日の米東部時間8日午後2時からの24時間で、ホルムズ海峡を通過してペルシャ湾を出た船舶は貨物船6隻と石油タンカー4隻にとどまった。トランプ氏は9日、自身のソーシャルメディアで「イランは極めてひどい対応をとっており、我々の合意とは異なる」と不満をあらわにした。
イランメディアによると、最高指導者モジタバ・ハメネイ師は9日の声明で「この戦争で被ったあらゆる損害に対する賠償を要求する」と述べ、「ホルムズ海峡の管理を新たな段階に引き上げる」と言及した。措置の具体的な内容は不明だが、今後もホルムズ海峡を「人質」とした交渉が続くとみられる。【ニューデリー松本紫帆、ワシントン松井聡】
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