トランプ氏、牛肉関税の一時緩和を表明 生産者団体は強く反発

2026/08/22 16:20 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 トランプ米大統領は21日、自身のソーシャルメディアで、外国産牛肉の輸入関税を一時的に緩和する方針を表明した。生活費の高騰が主要な争点となる11月の中間選挙を意識し、高止まりする牛肉価格の大幅な引き下げを狙う。ただ、生産者団体から強い反発を招いているほか、物価高対策の効果を疑問視する声も上がっている。

 米国は一定の外国産牛肉を低関税で輸入する一方、国ごとに設けた輸入枠を超えた牛肉には26・4%の高関税を課している。トランプ氏は投稿で「今後90日間、最大30万トンのひき肉用牛肉を超過関税なしで輸入することを認める」と記した。現在の市場価格より25%安い価格で販売される確約があると主張したが、具体的な根拠や詳細は示さなかった。報道によると、今後2週間以内に大統領令に署名する予定。

 割安な外国産牛肉が流通する措置に対し、生産者団体からは反発の声が相次いでいる。全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)のコリン・ウッドオール最高経営責任者(CEO)は声明で「トランプ氏の発信に失望している」と述べ、米国の畜産業を再建する手段として不適切との認識を示した。

 別の団体である米肉牛生産者協会(USCA)のジャスティン・タッパー会長は「米国の畜産農家を最後尾に追いやることで『米国第一』は実現できない」と批判。一連の措置が中間選挙の投開票までの期間と重なる点に不快感を示し、「政治的なタイムラインの駒として利用されている」とコメントした。

 米国では干ばつによる飼料費高騰で国産牛の供給が大幅に減少しており、牛肉価格は記録的な高値が続いている。米労働省によると、牛ひき肉の平均価格は7月時点で1ポンド(約450グラム)当たり6・85ドルで、第2次トランプ政権発足時点(2025年1月)に比べて25%近く上昇している。

 一連の措置で、実際に牛肉の店頭価格を大幅に引き下げられるかは不透明だ。ロイター通信は、対象となる牛肉が米国の消費量のごく一部に過ぎず、「根本的な問題を解決するうえで全く役に立たない」とのトレーダーの見方を伝えた。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

国際

国際一覧>