中国向けレアアース採掘、ミャンマーで急増 「紛争経済」指摘も

2026/08/27 07:30 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 内戦下のミャンマーで、中国市場向けのレアアース(希土類)の採掘が急速に広がっている。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が25日公表した報告書によると、採掘地点は2021年2月の国軍クーデター前は215カ所だったが、今年5月末には590カ所超に増えた。OHCHRは、違法採掘やオンライン詐欺、麻薬取引などが紛争の資金源となる「紛争経済」が拡大していると指摘している。

 ◇中国市場向けに採掘が加速

 採掘は主に中国市場向けで、取引額は23年に14億ドル(約2200億円)となり、ピークに達した。25年も中国向けに6億2000万ドル相当を輸出した。採掘の中心は北部カチン州で、クーデター後に302カ所の採掘地点が新たに確認された。

 24年末には、国軍に抵抗する少数民族武装勢力「カチン独立軍(KIA)」が主要鉱区を国軍系勢力から奪取。その後、カチン州では採掘拡大のペースが鈍った。

 一方、東部シャン州では25年に新たに23カ所が確認され、採掘が加速した。中国との結び付きが強い「ワ州連合軍(UWSA)」などの少数民族武装勢力の支配地域に鉱山が広がっている。

 ◇有害物質による汚染が拡大

 採掘では有害な薬品が使われ、周辺の河川や農地で汚染が広がっている。汚染は国境を越えて拡大しており、タイ北部を流れるコック川では堆積(たいせき)物からヒ素や鉛、水銀、マンガンが検出された。ミャンマー上流の採掘活動との関連が指摘されており、安全な飲料水の確保を脅かしているという。

 OHCHRは国軍や採掘地域を支配する武装勢力に無規制な資源開発をやめるよう求めた。レアアースの購入や加工、輸送などに関わる企業にも人権への影響を十分に調べ、深刻な被害を防げない場合は事業を停止するよう促した。【バンコク小泉大士】

毎日新聞

国際

国際一覧>