熊本市役所の庁舎建て替え 住民投票条例案、市議会委員会で否決

2025/01/14 18:15 

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 熊本市役所本庁舎建て替えの賛否を問う住民投票条例案が14日、市議会臨時会に提案された。総務委員会で審議・採決されたが、投票実施への賛成者はなく、否決された。17日の本会議でも否決される見通し。

 条例案は市民団体が1万8988筆の署名を集め、2024年12月に地方自治法に基づき直接請求した。市の基本構想で616億円とされる多額の事業費への懸念や、現庁舎を耐震性不足とする市の説明への疑問を理由に、直接の民意による判断を求めている。

 臨時会本会議で大西一史市長は「6年以上にも及ぶ(市と議会の)熟議を顧みないもの」と反対意見。一方、市民団体のメンバー5人は「否決は市民参画を否定するもの」などと成立を訴えた。

 この後、総務委(8人)で質疑があり、正副委員長を除く6人が発言した。「署名の重みは感じている」などとしながら、「熊本地震で大丈夫だったからという希望的観測では責任を持てない」「有利な合併推進債の機会を逃すまでの大義は見いだせない」と、投票実施に否定的、慎重な意見が相次いだ。採決では賛成の挙手はなかった。【中村敦茂】

毎日新聞

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