石破首相、施政方針演説で「令和の日本列島改造」推進を表明

2025/01/24 19:09 

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 第217通常国会が24日召集され、石破茂首相は衆参両院本会議で就任後初の施政方針演説を実施した。少数与党の石破内閣として、野党の賛成を取り付け、2025年度予算案を年度内に成立させられるかが焦点となる。「責任ある立場での熟議」を野党に呼びかけ、合意形成への決意を示した。

 首相肝いりの地方創生2・0を政策の核心に位置づけ「令和の日本列島改造」として強力に推進する方針を表明。具体策として、若者や女性にも選ばれる地方▽産官学の地方移転と創生――など5本柱を示した。

 「列島改造」はもともと、田中角栄元首相が1972年に発表した道路や鉄道などの全国的なインフラ整備計画。「日本列島改造論」と題した著書は90万部を超えるベストセラーとなった。「角栄最後の弟子」を自任する石破首相は、演説で「地域の持つ潜在力を最大限引き出す」と強調。角栄氏の列島改造に倣いつつ、ソフト重視の施策を推進し「多極分散型の多様な経済社会を構築していく」と語った。

 首相はまた、「国づくりの基本軸」として、人を財産として尊重する「人財尊重社会」と、多様な個人が自己実現を図る「楽しい日本」の実現を掲げた。

 「世界一の防災大国」を目指すとして、26年度以降の「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化」の新計画を今年6月をめどに策定し、現行の15兆円(5年間)を上回る事業規模を目指す方針も表明。「大災害や有事に備えた財政余力を確保する」として、今夏の骨太の方針で「今後の財政健全化に向けた取り組みを示す」と述べた。

 2月前半で調整しているトランプ米大統領との会談については「一層の協力を確認し、日米同盟を更なる高みに引き上げたい」と意欲を示した。

 27~29日に衆参本会議で代表質問が実施される。会期末は延長がなければ6月22日。【村尾哲】

毎日新聞

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