選択的夫婦別姓は参院選前に結論 石破首相 「議論の熟度高める」

2025/01/27 20:24 

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 石破茂首相は27日の衆院本会議で、施政方針演説に対する各党の代表質問に臨み、今国会の論戦が始まった。自民党内の慎重論が根強く、与野党で対立が続く選択的夫婦別姓制度の導入について「国民の関心が極めて高く、いつまでも結論を先延ばししていい問題とは考えていない」と述べ、早期の結論に努める姿勢を示した。少数与党として厳しい国会運営が予想される中、2025年度予算案の年度内成立や企業・団体献金のあり方なども焦点で、夏の参院選に向けた与野党の攻防が展開される。

 質問に立った立憲民主党の野田佳彦代表は、首相が選択的夫婦別姓賛成論者だったと指摘し、指導力を発揮するよう求めた。首相は「家族の一体感や子どもへの影響」などを考慮する必要があるとした上で「党の考え方を明らかにすべく議論の頻度を上げ熟度を高めていく」と強調した。

 これに先立ち首相は26日に放映されたインターネット番組で、通称(旧姓)の使用拡大を法的に担保する案が選択肢になるとの認識を示した。各種世論調査で、通称使用拡大を支持する回答が4~5割で「これが一番多い」と主張。今夏の参院選前に結論を出す認識も示した。

 自民、公明、日本維新の会3党で協議が続く高校授業料無償化については、首相は答弁で「地方自治体独自の支援とのバランスと安定財源の確保」を論点に「政党間で協議が進められる」と指摘し、協議に委ねる姿勢を示した。

 昨年の臨時国会で結論を3月末に持ち越した企業・団体献金の禁止を巡っては、「自由主義経済により国家・社会の存立と国民の福祉向上を実現しており、重要な役割を担う法人の寄付を禁止する理由はない」と改めて否定し、平行線だった。

 トランプ米大統領が再就任した米国との関係では「できるだけ早い時期に日米首脳会談を実現し、率直に議論を行い、強固な信頼協力関係を構築し、日米同盟を更なる高みに引き上げたい」と強調した。

 28日は衆参両院で代表質問が行われる。【村尾哲】

毎日新聞

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