石破首相、SNSでの偽情報「深刻な課題」 対策強化方針 代表質問
石破茂首相は28日、衆参両院の本会議でそれぞれ代表質問に臨んだ。ネット交流サービス(SNS)上で広がる偽情報問題について「国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼしうる深刻な課題」だと言及。「どのような情報が違法かを明確化したガイドラインを早期に策定するなど、制度的対応も含めた総合的対策を進めていく」と対策を強化する方針を表明した。
所得税がかかり始める「年収103万円の壁」を巡っては、178万円への引き上げを主張する国民民主党の西岡秀子氏(衆院)の質問に対し、政府・与党が昨年末に決定した「123万円」への引き上げ方針の妥当性を強調した。「生活実感も踏まえた調整になっている」などと語った。
政府・与党が最大150万円程度への引き上げを検討中だとの一部報道については「検討しているとは認識していない」と否定した。首相は2025年度予算案への賛成を得るため、国民民主などと協議を続けているが、追加引き上げの具体的水準については火消しを図った形だ。
立憲民主党の重徳和彦政調会長(衆院)は、防衛費増の財源にあてる法人、たばこ、所得3税の「防衛増税」のうち約2000億円の所得増税の撤回を求めたが、首相は「(所得増税は)引き続き検討されるものだと考えている」と拒否した。政府・与党は昨年末の税制改正協議で26年4月からの法人、たばこ両税の引き上げを決める一方、所得税の増税時期については決定を先送りしていた。
「政治とカネ」を巡っては、共産党の田村智子委員長(衆院)が、東京都議会自民会派の政治資金パーティーを巡る政治資金規正法違反事件に、自民国会議員が関与していなかったか調査するよう求めた。首相は「改めて襟を正し信頼回復に努める」と述べるにとどめた。
田村氏は自民派閥の裏金問題の真相が解明されていないとして、関係者の証人喚問も求めたが、首相は「可能な限りの調査を行い、説明してきた」などと正面からの返答を避けた。【小田中大】
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