私立高無償化 支給上限引き上げ合意へ維新と自公調整

2025/02/18 19:58 

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 日本維新の会は高校授業料の無償化を巡り、子どもが私立高に通う世帯に支給される就学支援金の所得制限を2026年度から撤廃し、支給上限を45万7000円程度に引き上げる案について、与党側と合意に向けた調整に入った。近く維新の吉村洋文代表と石破茂首相が会談する方向だ。合意が整えば、維新は25年度予算案に賛成することも検討する。

 現行制度では年収590万円未満の世帯を対象に、年39万6000円を上限に支給している。首相は17日の衆院予算委員会で引き上げ額について「直近の全国平均授業料45・7万円をベースとする」と述べた。

 首相の発言を踏まえ、自民党の小野寺五典、公明党の岡本三成、維新の青柳仁士の3政調会長が18日に国会内で協議。自公側は、維新が求める授業料無償化や社会保険料の引き下げについての合意文書案を提示し、青柳氏は持ち帰った。

 その後、維新の前原誠司共同代表はBS―TBS番組で合意文書案について、就学支援金の増額に加えて低所得世帯向けの高校生の奨学給付金制度の拡充など総額5000億円分の支援策が盛り込まれたことを明かした。維新は「総額6000億円」を求めていたが、前原氏は「我々が確認したかった総額が見えた」と評価し、自公の提案をベースに19日の役員会に諮る考えを示した。

 維新内では社会保険料負担の引き下げなどで、更に政府・与党から譲歩を引き出そうとする動きもある。

 首相は17日の衆院予算委で26年度から私立向けの支援金を引き上げると同時に、25年度は先行措置として、公立・私立を問わず年収910万円の所得制限を撤廃し、公立高の授業料に相当する年11万8800円を支給する方針も示した。

 私立向けの支援金引き上げについては、自公維の3党首が合意した上で骨太の方針や26年度予算案に反映させ、26年通常国会で必要な法改正をする考えだ。

 自民は18日の党文部科学部会で、支援金の拡充について対応を小野寺氏らに一任することを決めた。【田中裕之、安部志帆子、東久保逸夫】

毎日新聞

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