石破茂首相は１１日、政権の看板政策の「地方創生２・０」を推進するため、関係省庁会議を設置すると表明した。「地方創生２・０と令和の日本列島改造を進めるため、地方イノベーション創生構想を具体化する」と述べた。東京電力福島第１原発事故により大きな被害が出た福島県沿岸部で新産業を創出する「福島イノベーション・コースト構想」と「地方創生２・０」を掛け合わせた政策推進にも意欲を示した。訪問先の福島市で記者団に語った。

　また首相は、２０５１年までに福島第１原発の廃炉を完了するとの工程表を見直す考えはないとした。「現時点では一部に遅れはあるが、全体の工程に大きな支障は生じていないと認識している」と述べた。

　首相はこれに先立ち、同市で開かれた福島県主催の東日本大震災追悼復興祈念式に出席。「大震災の経験を能登半島地震や大規模火災をはじめとする自然災害への対応、事前防災の徹底や災害対処体制の強化、避難所における生活環境の改善などの取り組みに生かし、防災庁を新たに設置し、世界一の防災大国にすべく力を尽くす」と決意を語った。【内田帆ノ佳】