立憲・維新は禁止 自民は存続 企業・団体献金巡る委員会審議始まる
衆院政治改革特別委員会は12日、自民、立憲民主、日本維新の会の各党が提出した企業・団体献金を巡る法案の審議に入った。「禁止」を主張する立憲案と維新案に対し、自民案は「存続」を前提に透明性向上をうたう。法案を提出していない国民民主、公明両党も独自の主張を展開するなど、各党の隔たりは大きく、与野党が合意している3月中の結論に向けた道筋は見えない。
多額の企業・団体献金が「政策をゆがめてきた」と追及を続けてきた立憲民主は、政治団体を除いて企業・団体献金を禁止する法案を提出している。特別委で落合貴之氏は、前身の旧民進党でも禁止法案を提出してきたことを踏まえ「ようやく議論が始まった。結論を出すべきだ」と今国会での実現を訴えた。
立憲案には、企業や労働組合が従業員や組合員らに、雇用関係などを利用して政治団体に勧誘したり、献金を集めたりすることを禁じる規定も設けた。政党・政治資金団体を除き、年間5000万円まで認められる政治団体間での寄付の上限も、3000万円に引き下げた。
維新は当初、立憲案の「政治団体を除く」との規定が抜け穴になると主張していたが、全面禁止には「政治活動の自由」に関する憲法違反のリスクがあるとの指摘を受け党内で検討。企業献金は禁止する一方、政治団体からの献金に限り年1000万円まで認めた。青柳仁士政調会長は「憲法上認められる最も厳しい規制をかける」と強調した。
維新は高校授業料無償化などで自公と合意した見返りに、2025年度予算案に賛成した。「与党寄り」と見られることへの懸念から、「政治とカネ」の問題では対決姿勢を強調する。立憲とは団体献金などで隔たりがあるものの、対自民で立憲、維新が「共闘」する構図を見据える。
一方、自民は企業・団体献金を残した上で、透明性を向上させるとしている。政党本部や国会議員関係政治団体を対象に、年間1000万円超を献金する企業・団体の名称や献金額、献金先の内訳を公表する法案を提出した。だが、公表対象となる政党支部は、自民で全体の5・6%にとどまる。長谷川淳二氏は「政党の政治活動を資金面で支えることは政治参加の手段であり、自由であるべきだ」と訴えた。その上で、全国で約7700ある政党支部は「民意をくみ政策に反映させるため設置」されたもので、全てを公開対象とすることは「実務面で対応が困難」だと主張した。【安部志帆子、田中裕之、森口沙織】
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