除染土の福島県外最終処分、理解醸成を求め 県議会が意見書可決

2025/03/19 20:06 

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 東京電力福島第1原発事故後に福島県内の除染で発生した土を巡り、福島県議会は19日、県外で除染土を再利用する実証事業への国民的な理解醸成を進めることなどを国に求める意見書を賛成多数で可決した。

 除染土は中間貯蔵施設(同県双葉、大熊両町)に約1400万立方メートル保管されており、2045年3月までに国が県外で最終処分すると法律で定められている。

 意見書では、県外最終処分地の選定方法といった具体的な工程を早期に示すことを国に求めている。また、最終処分量を減らすために放射性物質の濃度が一定レベルを下回る除染土を再利用する実証事業計画が首都圏で頓挫していることに触れ、「国を挙げて、県民や国民の目に見える形で取り組みを加速させていく必要がある」と訴えた。

 双葉町の伊沢史朗町長は町内での再利用を検討する考えを示している。意見書を提出した自民党福島県連の矢吹貢一幹事長は取材に「(伊沢町長は)国の動きが見えてこない中で、あのような発言をした部分があるのだと思う。私たちは県外最終処分は国の責任であることを前面に打ち出していきたい」と話した。【岩間理紀】

毎日新聞

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