石破茂首相は４月下旬からの大型連休にフィリピンとベトナムを訪問する調整に入った。南シナ海への海洋進出を強める中国を念頭に、両国と安全保障や経済分野で関係強化を図る狙いがある。日本政府関係者が２７日、明らかにした。

　石破首相は今年１月にはマレーシアとインドネシアを歴訪している。日本の首相の訪問はフィリピンが２０２３年１１月、ベトナムが２２年４～５月の岸田文雄首相以来となる。

　フィリピン訪問を通じ、バイデン前米政権下で進展した日本、米国、フィリピンの３カ国協力の重要性も再確認したい考えだ。１月に岩屋毅外相、２月には中谷元・防衛相がフィリピンを訪問し、安保や海洋協力の強化でフィリピン側と一致している。ベトナムとも協力を深めており、石破首相は昨年１１月にペルーでクオン国家主席と会談し、諸課題について引き続き連携していくことで一致している。【内田帆ノ佳】