基礎年金底上げ法案、骨格部分削除へ 慎重論ある自民に配慮 厚労省

2025/04/16 20:38 

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 厚生労働省は年金制度改革関連法案で、厚生年金の積立金を活用した基礎年金底上げ案について、骨格部分を法案から外す方針を固めた。今回の改革の柱だったが、夏に参院選を控え法案提出に慎重論がある自民党に配慮した。

 基礎年金の底上げは、国民年金受給者や基礎年金の割合が高い低賃金の厚生年金受給者らが将来的に低年金に陥ることを防ぐ目的がある。

 厚生年金の積立金を基礎年金の給付に振り替えることで、基礎年金の給付水準の底上げを図るため、「厚生年金の流用だ」と批判があった。関係者によると、厚生年金の活用部分について、法案には盛り込まない方向だ。

 一方、次回の改正で底上げの実施を検討できるように、厚生年金の減額措置を5年継続する内容は残す。減額する受給者の水準が下がらないような配慮措置も盛り込むという。

 年金制度改革関連法案は今国会で、首相が質疑に出席する重要広範議案に指定されている。当初は3月上旬の法案提出を目指していたが、自民党内の意見集約が進んでいなかった。法案提出そのものへの反対も根強く、先行きは見通せない。【宇多川はるか】

毎日新聞

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