トランプ関税交渉で石破首相「安全保障絡めず」 訪米「一番良い時に」

2025/04/20 14:26 

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 石破茂首相は20日のNHK日曜討論で、米国の関税措置に関する日米協議について、安全保障問題とは分けて議論すべきだとの考えを示した。首相は「安全保障と貿易の話は違う分野で、絡めて議論するのは正しいと思っていない。関税と絡めない形で議論するものだ」と強調する一方、自身の訪米時期については「最後は私とトランプ米大統領が話を決める。それまでに濃密な議論をし、一番良い時期に訪米する」と述べるにとどめた。

 首相は「日米間の連携はさらに強固なものになりつつあり、日本が米国と共にできることは拡大している。米国から言われたからということではなく、日本を守る努力、防衛力の強化をきちんとやっていく」と意気込んだ。

 交渉を担当する赤沢亮正経済再生担当相がトランプ氏とも会談したことについては「意外だった」とし、「赤沢氏はトランプ氏が出てきたことを、『すごい圧を感じた』と言っていた」と明かした。

 その上で、「それだけ日米交渉を大事にしているということだ。同時に、最後は(トランプ氏の)リーダーシップで解決するという二つの面がある」と指摘。首相は「トランプ氏は『日本が最優先だ』と何度も言ったと聞いている」とし、「双方にとって最も望ましい結果でなければ駄目で、ある意味で(米国と各国の協議の)モデルになるということを目指していきたい。それなりの時間はかけたい」と語った。

 また、首相は米アラスカ州での大規模な液化天然ガス(LNG)開発プロジェクトへの投資や輸入増も検討対象になるとの認識を示し、「日本のエネルギー自給率は低く、LNGの米国のシェアを高めていくことはありうる。米国のLNG開発で日本は何の協力ができるかということだ」とした。国内の物価高対策の必要性にも言及し、「電気代は夏に上がる。いつ、どのような対策が必要なのかを念頭に置き、電気代やガソリン代の国民負担が少しでも減るよう、政府としてきちんとやりたい」と強調した。【内田帆ノ佳】

毎日新聞

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