学術会議の特殊法人化法案、参院審議入り 立憲は修正案提出の構え

2025/05/28 17:16 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 現在は「国の特別機関」の日本学術会議を特殊法人に移行させる法案が28日、参院本会議で審議入りした。学術会議側は政府からの独立性の確保に懸念される点があるとして修正を求めているが、政府・与党は応じておらず、今国会で成立する公算が大きくなっている。立憲民主党は修正法案を準備しており、国民民主党との共同提出を目指している。

 特殊法人化されることで、これまで首相の任命だった会員は学術会議側の選任に変わる。一方で、2026年の新体制発足時は、首相が決めた有識者らが会員候補者を選ぶことになる。さらに首相任命の監事や評価委員が活動を監査・評価する。

 立憲が準備中の修正案では、首相が間接的に運営に関与する、こうした規定を修正・削除する方針。政府は法人化後も予算措置をする方針だが、修正案では安定した財源基盤を確保するための規定を追加する。

 学術会議の組織のあり方の議論は、20年に菅義偉首相(当時)が6人を任命拒否したことで始まった。今月16日には東京地裁が、首相が任命拒否できるという法解釈に至った文書の一部を国が黒塗りとしたことに対し、開示命令を出した。国は控訴している。

 立憲の石川大我議員は「開示しないまま審議を進めるのは改正法案の審議の前提を欠き、許されない。新たな任命拒否が出ないか」と指摘。対して坂井学・内閣府特命担当相は「情報公開法の不開示事由に値すると判断した。内容については答えられない」と述べ、開示する意向は示さなかった。【信田真由美】

毎日新聞

政治

政治一覧>

写真ニュース