維新の「ガソリン暫定税率」7月廃止案 自公は慎重姿勢崩さず

2025/05/28 18:12 

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 自民、公明、日本維新の会の3党は28日、ガソリン税の上乗せ分に当たる「暫定税率」の廃止に向けた税制の実務者協議を開いた。維新は7月からの暫定税率廃止を盛り込んだ法案を今国会に共同提出することを自公に提案し、30日までの返答を求めた。自公は7月の廃止は難しいとの立場で、3党で意見を一致させるのは難しい状況だ。

 維新は自公への提案書で「政策対応には即効性と実効性が求められ、年末までの検討では遅すぎる」と主張した。7月に廃止し、一時的な財源として為替介入などのために設けている外国為替資金特別会計の剰余金を充てるとした。地方財源である軽油引取税は影響を考慮し、2026年4月の廃止とした。

 一方、自公は国や地方の税収減など暫定税率の廃止に伴う課題を改めて指摘した。自民税制調査会の後藤茂之小委員長は協議後、報道陣に「一時的な財源を作って恒久的に税制を廃止するのは、責任ある態度とは言えないのではないか」と疑問を呈した。

 維新の青柳仁士政調会長は終了後、「回答次第で協議を続けるかやめるか判断する」と述べ、協議打ち切りの可能性を示唆した。暫定税率を巡っては、立憲民主党が7月から廃止する法案を衆院に単独で提出しており、維新が立憲案に合流する可能性もある。【井口彩、園部仁史、野間口陽】

毎日新聞

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