兵庫知事、給与50%カットに 議会「幕引きあり得ぬ」 情報漏えい

2025/06/03 18:25 

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 兵庫県の斎藤元彦知事らの疑惑を巡り、文書で告発した元県西播磨県民局長(故人)の私的情報が漏えいした問題で、斎藤氏は3日、7月から3カ月間にわたり自らの給与を20%削減する方針を明らかにした。斎藤氏は行財政改革の一環で既に30%減じており、カット率は50%になる。

 県は給与減額に必要な条例改正案について、3日に開会した県議会6月定例会に提案する予定だ。

 斎藤氏は県議会で「漏えいは県政の信頼を損なうもので、県民の皆様、関係者に深くおわび申し上げます」と謝罪。報道陣に「組織の長として自らを処することで責任を果たしたい」とした。条例上の知事給与は月134万円で、50%減額で67万円になる。

 情報漏えいを巡って県の第三者委員会は、斎藤氏の側近だった元県総務部長の井ノ本知明氏(停職3カ月の懲戒処分)が県議3人に漏らしたと認定。「斎藤氏らの指示だった可能性が高い」と指摘したが、斎藤氏は「指示はしていない」と否定している。

 斎藤氏が第三者委の指摘に反発する中での給与カットについて、県議会からは「事実が明らかにならないまま、幕引きはあり得ない」との声が上がる。

 自民党、維新の会、公明党、ひょうご県民連合の主要4会派は3日、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で元総務部長を刑事告発するよう県に申し入れた。

 一方、政治団体「NHK党」の立花孝志党首らがインターネット上で公開した私的情報に関し、別の第三者委は「県職員が漏えいした可能性が極めて高い」と判断。告発を受けた県警が捜査を進めている。【稲生陽、山田麻未】

毎日新聞

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